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コラム

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ニーズとオンライン診療|相模原市上溝の内科・外科・整形外科・皮膚科のかみみぞ中央診療所

ニーズとオンライン診療

オンライン診療イメージ

現代の患者さんのニーズとは

皆様こんにちは(^ ^)。最近色々なものがサブスクになってきていると感じています。スポーツジムや飲食店など、身の周りに沢山ありますよね。これらは全て世界のニーズに対し生まれていて、時代や世代によってニーズが変化することで進化しています。今回は医療ニーズについてまず話を始めたいと思います。まずニーズとは何か?(そこからかっ!?)「欲求、要求、需要(require)」と解釈され、昨今ではマーケティング用語として用いられることが多いようです。医療にもマーケティングと言う概念は存在しています。皆さんが医療機関にかかろうと思うきっかけは何が多いでしょうか。当然ですが具合が悪い、どこかが痛いなどの不具合を感じて受診される方もいることと思います。ですが、それだけではありませんよね?例えば各種検診、ワクチンの接種、切れてしまった薬をもらいに行くなどが挙げられます(今年はインフルエンザワクチン手に入りにくいんでよねー、明らかに新型コロナの影響ですね>人<;)。多くはありませんが「今日は寂しいから来てしまった」という御年配者の方も見受けられます。では、これらの全てのニーズを一緒くたに外来で診療しているとどうなるでしょうか。かなりカオスなことになってしまうことは容易に想像できます。来院された順番に診ていると、今現在の腹痛や胸痛の症状があり来院されている患者さんが、検診・ワクチン接種や薬が切れたからという理由で来られている患者さんよりも後回しになってしまいます。これらの問題を解決する鍵はどうも「時間」にあるのではないかと言うのが私の考えです。

 

患者さんのニーズに応える鍵は「時間」

時間とは何か?急に壮大な問題ですね。これはある面では物理学者の永遠の課題であり、未だ答えの出ていない謎でもあります。実は時間は存在しないなんて言う研究もありますが、ここでそれらや相対性理論を議論するつもりはありません。そうではなく「医療をニーズとして捉えた際の時間とは何か」をここで考察していきたいと思います。

 

前述した皆さんが医療機関に受診しようと思うきっかけでは何が一番多いと感じますか?年齢によっても異なるとは思いますが、おそらくは「薬が切れてしまったから」がダントツで多いのではないでしょうか(確信がありますww)。現在は一部の薬を除き、医療機関で処方できる最長処方日数は90日分となっています。薬をもらいに来られる患者さんの多くは慢性心不全、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病、腰痛症など慢性疾患や代謝性疾患・循環器疾患を治療されている方たちがほとんどです。しかしながら、この患者さんたちの多くは受診時にどこか具合が悪いと言った症状を持っているわけではありません。患者さんによってはしっかり時間をかけて診てもらい、毎回検査も受けたいと考えている方もいるとは思います。ですが、働く世代や子育て世代の方はどうでしょう?おそらく最も多いニーズは「並ばないで早く診てもらい、早く薬が欲しい」「そして早く帰って仕事の続きや家事をしなくては…」ではないでしょうか?(いや、本音はこれが一番多いですよねー)これらの患者さんのニーズは明らかに「時間的に早く」が診療内容の充実度より優先されているわけです(くれぐれも誤解がないように言っておりますが、診療内容が大事ではないと言っているわけではありません)。ではクリニックや診療所に入ってから出るまでに皆さんが許容できる時間はどの程度でしょうか。2時間?(オイオイって言葉が聞こえてきそうですね)。おそらくこれでは長いと感じられる方が多いことでしょう。では1時間?これでも少し長く感じますよね。30分?いや20分?本当はこのくらいがベストなのだと思います。できれば会社の休憩時間や午前午後に少し抜け出せる時間や家事の合間などの時間を利用したいですよね(医療機関と銀行にだけは並びたくない!これが本音ですw有名なラーメン店ならok!)。もちろん医療機関の側からすれば一定の診察精度を保った上で、可及的に対応しているということになりますが…。

 

初診外来と再診外来が分かれる訳

では、実際に「お腹が痛い」「胸が痛い」など、しっかりとした、割と深刻な主訴を持っている患者さんはどうでしょう。診察開始までの時間を早くして欲しいという希望は変わりませんが、やっぱり診療と必要な検査を行って正確に診断されたいし、治療で症状が治ることが優先ですよね?これが現在多くの病院で初診外来と再診外来が分かれている理由です。実際は他院でこれまで診療を受けており、既に診断もされていて治療も開始されているケースでも、引越しに合わせて新しい医療機関に受診された場合などは初診になってしまうので、内容は様々なのですが…。では、これが病院ではなくクリニックや診療所となると、どうなるのか次に述べていきます。

 

病院と診療所(クリニック)の違い

クリニックや診療所はそもそも規模が病院とは異なり、勤務している医師の数はもちろん、一般的には看護師や看護補助者、事務員の数も少なくなります(同じ人数いると身動きとれませんw)。でも病院に来院される患者さんの数より、クリニックや診療所に来られる方の数が少ないのでは?との意見もあることと思います。確かにそれはそうです!ですが想定外の事態が日常診療ではつきものです(大体毎日あります)。その事態に対応する応用力や適応力においては職員が一定数以上の場合と以下の場合とでは正直異なると感じています。例えば病院の待合室で患者さんが倒れた場合、おそらく医局や看護師休憩室などに待機している職員(大体何人かは待機?しています)が臨機応変に動いて問題を解決しつつ、概ね通常外来は普段とあまり変わりなく営業が行えます。クリニックや診療所で例えば2人の医師が勤務していたとして一人が急変した患者さんの処置や治療に当たれば、通常の外来稼働率は約半分になってしまいます。特殊な初診の場合も同様です。難病疑いなどの、診断が困難な患者さんが初診外来に来られると検査結果を読み解く時間、紹介状を書く時間などが平均時間よりはるかに長く必要になり、仕方なく次の患者さんをお待たせしてしまいます。こういう場合は再診を担当している医師が、臨時で次の初診患者さんを診ることもあります(気の利いた医師の場合はw)。したがって明確に初診外来、再診外来と分けたシステムが組めない状況であることが多いです。なるべく臨機応変には動いていますが数の原理には敵いません。

 

オンラインで「診療を受けられる・薬が届く」を解決に

これらの問題を踏まえて最近注目を浴びているオンライン診療のニーズを次に考えていきましょう!そのニーズの主体は実際明らかです。可能性としては色々な場合が想定できますが、実診療のニーズとなるとそれはもう「薬が切れてしまったから」の受診動機の患者さんがほとんどこれに該当すると考えます。ましてや、今の社会で働く世代や子育て世代の方達はこのシステムを最大限利用したいと考えますよね。しかも薬が自宅に届いたらさらに素敵に感じることでしょう(これは現在模索中ですので改めて皆様に報告いたします)。ここまで読まれた方はすでにお気づきと思いますが、クリニックや診療所のニーズは概ね二極化しているのです。だいぶ乱暴な言い方になってしまい恐縮ですが、端的に言えば「診断してもらい、安心して症状を治したい」「早く診療を終わらせて早く、そして便利に薬をもらいたい」この2つのグループに分けられるのです。これは患者さんの環境や背景で決まってくるものと考えます。私個人の考えですが、この2グループに、同じ土俵で医療を提供することは根本的に無理であると思います。時間価値と優先目的が明らかに異なるからです。当院でも大いにオンライン診療を利用してそれぞれのニーズに応えていきたいと思います。

 

現状のオンライン診療とは

聞いて頂きたい問題があるのです( ̄^ ̄)。現在のオンライン診療は縛りが多すぎて実際のニーズに応えにくい環境なのです。国はデジタル庁をつくるに当たって、「オンライン診療の推進」を一つの目標に謳っているわけですが、まだまだ現状では満足に機能できない建て付けなんです。一番大きな問題は、現在の緩和されたオンライン診療の対応はあくまで「新型コロナウィルスの感染拡大に際しての、時限的・特例的対応」となっているのです。特に刮目すべきは「1月あたりのオンライン診療科の算定回数の割合の制限」というものが決まっており1割以下にしなさいという規定があるのです。さらに実は、初診ではオンライン診療ができないなど色々問題があるのですが、これではそもそもオンライン診療が拡大するはずがないのです。需要と供給がそもそも合わせられない建て付けなのです!驚きですよね?このIT社会でグローバリズムがここまで浸透したのに未だにこの建て付けって!?やっぱり色んな圧力やら利権やらが絡んでいそう(大体想像できますね?ww)でなかなか変え切らないのでしょうが、それでも「ないわー( ´Д`)y━・~~マジないわー!」って思いませんか??

最後に医師らしいことを言うならば慢性疾患といえど、内服している薬の種類によっては定期的な採血検査や画像診断が必要となることは言うまでもありません。疾患や経過観察期間により様々ですが2回に一回、3回に一回程度は通常の外来受診をされた方がより精度の高い診療となりますので、受診されている病院や診療所の主治医と相談しながら来院の間隔を決めていくことが必須条件となります(と、言っておきますw)。手軽で短時間の診療は便利ではありますが、必要以上のリスクは避けるべきです

 

かみみぞ中央診療所
院長  片野智之

【アクセス】
〒252-0243
神奈川県相模原市中央区上溝3926番10